① 粘土の性質と作り方 土粘土は、私たちの周りに無尽蔵にある土の粒子が細かくなったものである。川や池、湖、海などの底に堆積したものが、地殻変動で隆起し地上で採掘できるものも多い。信楽の土は有名だが、古琵琶湖の堆積物である。採掘場所によって成分も異なるので性質も違ってくる。
身近に粘土質の土があれば水で溶かしてナイロンストッキングで荒い土や不純物を濾し、その上澄み液を捨てる。粘土が残るので、手ごろな堅さに練って使う。
② 立体のスケッチの注意点 視点の移動から起こる新鮮さと複雑さが、飽くなき探求心を芽生えさせる。それが集中力を増加させることになり、量的な形態への追求心へと深化させる。
立体作品は見る方向によって様々に表情が変わる。さらに、光が作用するとその見え方は無限である。それは制作の途中にも言え、モデリングの際は常に近隣との連続性と、反対面の量的なバランスを意識しなければならない。その際、モデルと作品と制作者の視点が同一線上に位置するように注意する。いずれかにずれが生じると、それらを正しい視点の方向と位置関係に修正するときに非常に複雑な思考を要することとなる。
③ ドベの作り方と使い方 土粘土では、粘土同士をくっつける接着剤としてドベを用いる。ドベの作り方は、本体と同じ粘土を水でどろどろに溶いたもので、粘土の接着面を櫛ベラなどで荒してから筆などで塗りつける。
その際、空気が入らないように気をつけ、押しつけるようにして貼り合わせる。
はみ出たドロは、水分が抜けて少し堅くなるまで暫く待ってから形を整える。柔らかい内に平してしまうと、乾燥してから窪みになるので注意が必要である。場合によっては、糸状にした粘土を溝にはわせて押し込み、成形してもよよい。
粘土が乾燥してから接着しようとしても、ドベの水分が吸収されて本体自身が崩れてしまう危険性がある。
④ 空気穴の開け方 空気や水は、温度が上がると体積が増える。土の中にそれらが閉じこめられると、焼成時膨張した空気や水の圧力がかかり、破裂の原になる。粘土の厚みが1センチ以上になる場は、それらが抜ける道を造ってやる必要があ。作品の裏や目立たないところに、竹串や爪楊
などで小さな穴を開ける。大きな作品の場合は、シッピキなどで二つに割り均一の厚みになるように、余分な粘土をかき出してからドベで接着して形を元通りに成形し、竹串などで空気穴を開けておくようにする
⑤ 焼成窯の製作 小さな作品を、安全で手軽に焼成できる手づくり窯を2つ紹介しておく。
一つ目の窯では、燃料にもみ殻を使って1日放置し、約700~800°Cの野焼き風の焼成ができる。
二つ目の窯では、燃料に木炭を使い、掃除機を送風機として用いることで1000°C以上の焼成ができるので、場合に応じて使い分けるとよい。
放牧された牛をみんなでスケッチ 窯に作品を詰め終わり、蓋をしているところ 作品のアヒルとモデルのアヒル 取り出した作品に興味を示す近所の子どもたち


1 題材の目標   2 題材の評価規準 3 主な学習内容と評価 アドバイス 資料

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